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〇〇を教えて。。
第6章 イイのになかなか☆
_____________

『ふぁあぁあ~~~。』
深夜3時。

一人目の客への奉仕を終えた理玖は、
渚遥香の運転する車の助手席で伸びをした。



次の客が指定したホテルが遠く、
理玖が渚を呼び出したのだ。


『………早瀬ねぇ、
私は寝る前だったのよ?』
文句を言いながらも渚はクラウンを運転し、
ホテル街まで迎えに来てくれた。



『この車、めっちゃ乗り心地いいー。
箱が移動してるみてぇだな?
遥香ほい。これやる』
理玖はポケットからブラックコーヒー缶を取り出す。


『あら、成長したわね』
渚は前を向いたまま。
『開けて?___ありがとう』
理玖はプシュッと開けて渡した。




『なぁ?
缶コーヒーって紙パックのよりか美味い?』

理玖は宗一郎の〔拘り〕を思い出して訊ねる。


『突然なによ?
__まぁ、飲み易いのは缶だけど。
私が美味しいと思うのはコピルアックだけね』



『コピ…………?何それ』


『ジャコウネコにコーヒー豆を飲み込ませて糞から取り出した希少な豆を挽いたコーヒーよ』


『は?
何、ネコに豆を飲ませ………?
糞食うってこと?』


『食う…………まぁ、そうなるわね』
渚は説明が面倒で省く。


『まじでー?キモっ。
てかそんなもんあんだ………』
理玖は胸が悪くなりウプッと嘔吐(えず)く。
『おかしな事すんだなー?
有るもの飲んどきゃいいじゃん』



『そりゃあなたは有るものだけで良いんでしょーね』
理玖にしてみれば奇っ怪でしかない。

『缶のが美味しいと思うの?早瀬は』




『あー、俺じゃなくて宗一郎が。
付き合ってんだけど』


キキーーーッ!!

渚が急ブレーキを踏んだ。


『いてっ!

危ねぇ、何すんだよ遥香!』


再び走り始める。

幸い後ろの車は10メートルほど離れいた。


『付き合っ………て?
宗一郎って…………男性?』
渚は心臓に針を刺されたような痛みを堪える。



『うん。変だよな?

でも好きになっちまったんだわ』

理玖がへらっと笑う。


渚は理玖の横顔を盗み見た。

___嬉しそうだ。








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