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〇〇を教えて。。
第8章 ウマくいったらHappyみたい☆
3階___4階ではニール・ペスが寝息を立てているのだ___
で応答した宗一郎。




『もしもし』



「へたれ君、
元気ですよ?俺は」
嘲笑うような、愉しげな声。




『すみません……………、

何となくメールをしてしまって』




電話の向こうの男はクスクス笑っている。



「ヤンキー君と何かあったな?

こないだの風間組の羽乃とやらは幹部に捕まったようだよ。

名古屋市内にて発砲事件………
ニュースには出てないねぇ?」



『羽乃、捕まったんですか……………』
瑠偉の情報収集力に畏怖すら感じる。




「あのさ?
宗一郎、過去は過去だよ。

取り返しも巻き戻しもできない」
瑠偉は唐突に語り出す。




『ええ、分かってます』



「もう一つ出来ないことがある。 
〔もしもあの時ああしなければ〕という推測だ。 

過去にもしもは通用しないよ。

君は分かり易いんだ。

自分を責めたい時に俺に連絡してくる」






宗一郎は愕然とした。


瑠偉は、まるで全てを見透かしているようだ。




『そっ……………そうですかね………』
突然射貫かれたようで、慌てる。



「そうだろ?

いつだってそうだよ。

なぁ、君は優秀な研究者の癖に自分の事となると俯瞰できないね。

〔もしも〕を使うなら未来を見なよ」




宗一郎の青い瞳に涙が滲む。

ミライ。



「そのヤンキー君との未来を見なよ。

靄がかかって不鮮明だけどさ。

手探りで進めばいいじゃないか?

アイツもそれを望んでるよ、きっと」



ぽたぽたと雫が落ちてゆく。




「もう一度言うよ?
〔同性愛者なんて、お互いだけ見てりゃいいんだ。〕

君が自分を傷つけたり責めたりしたら、
俺は君を許さない。絶対にね」




流れてゆく。


涙と一緒に、
責め苛む気持ちが。


スーッと溶けてゆく。

瑠樹の白い小さな顔が微笑んでいる気がした。







「なんだ、泣いてるのか?
宗一郎、がんばれよ」


『は…………はいっ……………』




「がんばれ。

がんばって、生きろ。

ヤンキー君と2人でさ」



じゃーね、
暇つぶしにでも連絡してよ。




そう付け加えると、
瑠偉は通話を切ってしまった。

















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