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第8章 母親学級

全部出てきたソレは、ベッタリと濡れたような質感ではあるが、紛れもなく人間の、赤ん坊だった。

赤い、というより、赤黒い。
何やら白っぽくふやけてもいて、更に血塗れだからスプラッタ度抜群だ。

きゅっと縮こまるような姿勢のまま、大声で泣いている。
その赤ん坊には、ぶっとい青紫色のコードのような内蔵のようなナニカが腹の辺りについていて、一瞬この赤ん坊腸が飛び出してるんじゃ⁉︎と思ったら、産科医がそれをハサミでジョキン、と切った。

あ、あれ、臍の緒なんだ。
臍の緒って、あんななんだ…

ほんの数分間ではあったが、できれば、見たくなかった衝撃映像に、俺はグッタリと疲れてしまった。

ビデオが終わり、部屋が明るくなる。周りのお父さん方も若干涙目だ。良かった、1人じゃない。仲間が居た。

「ちょーっと若いお父さん方には刺激が強かったようですけども。」

と、にこやかに話し出す助産師さん。
ちょっとじゃないよ！
だいぶ衝撃だわ！

思わず、母は強しの話を思い出した。
そりゃ、こんなん経験したら強くもなるわ…
男にゃ到底真似できない。