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汚くても醜くても生きている
第57章 赤
トマトジュースのように染まる赤
自分の肌から流れるそれはもがいている証
この痛みは生きている証
人間なんて大嫌いだ
我儘で傲慢で押し付けがましい
どうしてこんな薄汚れた世界に産まれてしまったのだろう
どうして私は自由に羽ばたける鳥じゃないんだろう
檻籠に入れられた小動物のように窮屈だ
二本の歩ける脚があるのに自由に歩くことを許されない
「ごめんなさい」
そう呟いて今日も頬を伝う涙とともに
手首に刻む赤い色--
一筋舐めとると
口の中いっぱいに広がったのは鉄の味
自分の肌から流れるそれはもがいている証
この痛みは生きている証
人間なんて大嫌いだ
我儘で傲慢で押し付けがましい
どうしてこんな薄汚れた世界に産まれてしまったのだろう
どうして私は自由に羽ばたける鳥じゃないんだろう
檻籠に入れられた小動物のように窮屈だ
二本の歩ける脚があるのに自由に歩くことを許されない
「ごめんなさい」
そう呟いて今日も頬を伝う涙とともに
手首に刻む赤い色--
一筋舐めとると
口の中いっぱいに広がったのは鉄の味