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山田雪江のフロント日記
第5章 エピソード 2 なぜ間違える?
「それにしてもいろんな人が来るんですね」

皿に一つだけ残った唐揚げを見ていると
ほら食べなさいよ、と雪江さんは私の前に皿を押してくれた。

「来るわよ、いろんなのが。そうそう、今思い出したわ。
 昨日さ、いつも一人でくるオヤジがしでかしてくれたのよ!」

「へぇ!一人でくるんだ?」

「そ!シングルユースはいいのよ、3人はダメだけどね」

「そうなんですか・・で?何をしでかしたんです?」

ジョッキを持ったまま、私は動きを止めた。

「若いカップルがね、部屋あけたら人がいるって、
 フロントに電話かけてきたのよ」

「え~~~・・まさか・・オバケじゃないですよね?」

想像して、キンキンに冷えたジョッキを持つ手がさらに震えてきた。

「違うわよ~!そのオヤジだったのよ!」

「えーーー!」

ウサぴょん、ヤマりん、そして私の叫び声がハーモニーになった。

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