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山田雪江のフロント日記
第3章 昼間のラブホ
「そんなに不倫カップルって多いんですか?っていうかわかるんですか?」

「そりゃわかるわよ」

雪江さんは枝豆の皮を皿にむかって投げつけた。

「60近かったり超えたりしてるようなジジイとババアがさ、
 夫婦だったら真昼間にこんなとこ来ないでしょ?」

「えー!そんな歳いった人、来るんですか?」

私は余裕で枝豆の皮を受け取れるくらいの大口を開けて驚いた。

「あーた!もっとすごいのも来るのよ!腰の曲がった本当のおじいさんとおばあさん!
 70は優に超えてるわよ。それでもね、手を携えて来るのよ」

「ほんとに?」

私は想像した。
腰の曲がった年寄りが、よろよろと暗い廊下を歩く姿・・
不気味だとしか思えない。

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