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影に抱かれて
第17章 影に抱かれて
「リュヌ、何もかも僕に任せてくれないか……君をそんなに悩ませるなんて……僕は許せないよ。僕は全部知ってるんだ」
激しくなるジュールの動きに、心も体も翻弄される。
ジュールも果てが近付いているのだ。
そしてリュヌもまた。
ふたりは文字通りひとつだった。
やはりその運命に抗うことなんてできない。
世界中の人間を敵に回しても、そして神から目を背けても……
このふたりの愛だけはどうすることもできない。
善も悪も関係ないのだ。
たとえ一生その罪に苦しみながら生き、罪の業火にその身を焼かれようとも……
「はあっ……はあ……もうひとつ……葬儀が増えるだけだ。ただ君は……あの老人を呼び出してくれるだけでいい……」
自分の中で溢れ出る、ジュールの激しい愛を感じながら、リュヌは小さく……しかししっかりと頷いていた。