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影に抱かれて
第7章 花の蜜
二人がそれぞれベッドに入ってから、リュヌは自分自身と闘っていた。
自身の性器が硬く、これまでにないほど反り返っているのを感じる。暴発しそうなその部分に手を伸ばしたくて堪らない……それは本能から来る強い欲求だった。
自慰は許されない……そして男色も。
しかし自分は今、ジュールを想って狂おしいほどに欲情してしまっている。
ただ、触るだけ……
ジュールだと思って、ジュールを感じるために……
そう思いズボンの上から触れてみると、いつかの夜のように稲妻が全身を駆け抜ける。
ああ、あの嵐の午後……ジュールと特別な絆で結ばれて、どんなに嬉しかったか。
あの行為が禁忌だと知った今でも、あの日、あの瞬間に感謝をしたいぐらいだった。
自慰の仕方など分からなかったが、布団の中で性器を曝け出し、ジュールがしてくれたように握りしめる。するとその手は自然と上下にさするように動き出した。