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電動人形
第24章 霧吹き
ビクン…ビクン…

女性の体が大きくうねる。

『パイパンだよ。』

『お人形ちゃんは、やっぱり、お毛々なんて生やしちゃいないのさ。』

『あそこ丸見えじゃヤバいんじゃ?カーテン下げろよ。』


ギャラリーの声に僕は慌ててスライド式のカーテンを下ろす。

両サイドに座る乗客も、すかさず背を離して協力した。

女性を囲む乗客の思念が一体となっていた。
そして女性の両サイドの男たちの言動でその思念は方向づけられていく。


中心となる女性は何故か、その思念とは切り離された空間にいるような気がした。
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