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第10章 溺愛系の弟

｢温度熱くない？大丈夫？｣

髪を濡らしながら、優しく聞いてくれる。

｢うん。平気だよ。｣

｢桜音の髪綺麗だね。｣

ｼｬﾝﾌﾟｰを泡立てながら、来騎が言った。

来騎の指が優しく頭皮に触れていく。

誰かに髪を洗ってもらうのは、美容院以外では初めてなんだけど、結構嬉しいかも。

気持ち良くて、来騎に全てを任せていると、ﾁｭｯとおでこにKISSされた。

｢隙ありっ！｣

ﾌﾌｯと笑いながら、ｼｬﾝﾌﾟｰを流している来騎は、すごく楽しそう。

こんなに、優しく女子が喜ぶ事をしてくれるのに、そう言えばまだ、高校生なんだなーと、一瞬我に返る。

来騎も見た目は、今どきの草食系男子なのに、中身はそうでもないんだよね…。

なんだっけ？

そうそう、ﾛｰﾙｷｬﾍﾞﾂ男子ってやつ。

見た目は草食男子だけど、中身は肉食男子ってやつ。