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獣欲の檻
第8章 リナのそれから
リナは学校から帰ると、真っ先に地下の部屋へと行っていたが、この日はドアの前で止められたのだ。



「ルルミに顔を見せなきゃ…不安がるから。」



ココが連れ出されてから、1人で折の中で過ごすルルミをリナは心配していた。

管理されている為、全く自由は無いし、話す相手もいない。
毎日顔を見せるたび、折から手を伸ばし、ぎゅっと掴んで離さないほど…寂しいのだと伝わっていたから。



「…もう、その必要は無いと旦那様がおっしゃっておりましたので。」



黒服の男がそう言うと、リナはその場に立ち尽くした。


その言葉の意味が怖かったのだ。

数ヶ月、檻の中で生活し、体を伸ばす事さえ出来ず、元々発育の悪いルルミが以前よりも痩せていたのも見て取れていた。

文字も読めないルルミに、ココと自分の名前を言わせても、すぐに忘れてしまうんじゃ無いかって、不安で堪らなかったのだ。
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