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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
指で示した方向に、陽向が顔を逸らしたから
そのタイミングにしてやっと彼を見上げた。
「………っ」
……あぁ、やっぱり気のせいなんかじゃない。
雷に撃たれたように動けなくなる衝撃は
高校生の時と同じだし、むしろもっと強いかもしれない。
街灯の明かりに照らされた、陽向の横顔を見上げるだけで
心臓を鷲掴みにされたみたいに、苦しくなる。
「ふーん……お前のことだったんだ」
……え!?
な、なに?
陽向が呟いた言葉が意味不明で、思わず身構えてしまう。
「まさかの、まさか」
「……? あ、あの…」
「会社の連中から聞いたんだよ。
“ 朝、出勤前に行くなら仲通り入口のカフェがオススメ ” 」
「………!」
「そこで働く前髪パッツンの女店員が可愛いって」
「………!!」
「楽しみにしてたのに……ははっ、お前かよ」
そう言って振り返った陽向が、私を見て口角を上げた。