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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉

「……もう仕事終わったの?」


心臓を落ち着かせるにはとにかく喋るしかない。

グレイのYシャツに、同じモノトーンで合わせたネクタイ。
髪の毛が明るいけど、似合ってるから浮いてないし

てゆーか、どう見ても普通のサラリーマンじゃないんですけど……


「まだ18時だよ」

「不真面目なもんで。
残業する程必要とされてもねぇし」

「……いいのそれで」

「いつも16時には帰ってるぜ、俺。あっちじゃ普通」


しれっと答えながら、陽向が駅に向かって歩き出したから
このまま突っ立てるわけにもいかず、私もその後に続く。


……完璧なポーカフェイス。
なんていうか、なんでこうも冷静にいられるんだろう。


1週間前の合コンの時もそうだけどさ。
普通もっと驚かない?

こっちはもう、背中を滝のように汗が流れるっていうのに。
この激しいギャップに戸惑うばかりだ。



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