この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
「……もう仕事終わったの?」
心臓を落ち着かせるにはとにかく喋るしかない。
グレイのYシャツに、同じモノトーンで合わせたネクタイ。
髪の毛が明るいけど、似合ってるから浮いてないし
てゆーか、どう見ても普通のサラリーマンじゃないんですけど……
「まだ18時だよ」
「不真面目なもんで。
残業する程必要とされてもねぇし」
「……いいのそれで」
「いつも16時には帰ってるぜ、俺。あっちじゃ普通」
しれっと答えながら、陽向が駅に向かって歩き出したから
このまま突っ立てるわけにもいかず、私もその後に続く。
……完璧なポーカフェイス。
なんていうか、なんでこうも冷静にいられるんだろう。
1週間前の合コンの時もそうだけどさ。
普通もっと驚かない?
こっちはもう、背中を滝のように汗が流れるっていうのに。
この激しいギャップに戸惑うばかりだ。