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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
「……いま、どこに住んでるの?
出向だしホテル住まいとか?」
やだな。
私ばっかり質問してるんだけど。
「べ、別にいいよ!
答えたくないなら無理しなくていい」
「……なんだよ無理って。
会社支給のマンスリーマンション借りてる。
ここ左折して真っ直ぐ進んだところ」
「え、そ、そうなの? じゃあこの辺で…」
「今日は実家帰るから」
「あ、そうなんだ、それなら仕方ないけど駅まで一緒…」
「胡桃」
早口で喋る私の言葉を遮って、陽向が足を止めた。
「お前、ちょっと落ち着け」
「………」
「さっきからなに焦ってんだよ」
……見抜かれてる。
恥ずかしくて目を合わせられない。
ほんとどうにかしてよ、この胸のドキドキ。
「ちょっと来い」
「………!」
ちょうど駅のロータリーに差し掛かったところで
時計台の周りを囲む花壇の淵に、陽向が腰を掛けた。