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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
「10代なんてバカで当たり前だろ。
お前の場合敢えて深く考えずに、その頃の機動力で進んだ方が案外うまくいくんじゃねぇの」
「……でも、それでまた道を踏み外したら?」
「踏み外せばいいじゃん、豪快に」
「~~は、恥ずかしいよ、2回も…」
「恥ずかしくていいんだよ」
時計の上から、陽向がきゅっと私の手首を握った。
……包み込むように、優しい力で。
「粋がって派目外して、後悔して、落ち込んで」
「………!」
「そうやって自分を見つけていけばいい。
全っ然遅くねぇから」
……胸がいっぱいで、何も言葉にできない。
そっと離した手から、見えないパワーが溢れている。
「誰かに追い付こうとか、誰に合わせようとか
何が正しいとか考えなくていいんだよ」
「………っ」
「まずは胡桃が、胡桃自身を好きになれるように……頑張れ」
─── その笑顔が、私の心に光を与える。
「そうすれば、自然と見えてくるよ」