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ハツコイ♥アゲイン
第6章 魔法の言葉
かなり古い表現ですが
ビビビどころか、ズキュンと心臓が打ち抜かれたのは
らしくない穏やかな口調で、優しく話してくれたこともそうだし
捻りの無い頑張れが、ストレートに響いたからでもある
“ 胡桃は自分で立ち上がるって、皆分かってるから ”
“ 何が正しいとか考えなくていいんだよ ”
“ まずは、自分を好きになれ ”
「………っ」
“ まずは胡桃が、胡桃自身を好きになれるように……頑張れ ”
「少しはマシになっただろ」
「………!」
「帰り、落とすなよ」
私の手首にぴったりと付けた腕時計。
魔法の力でサイズを合わせて
魔法の言葉を唱えた彼が
満足そうにそう言って、極めつけに極上の笑みを浮かべたから
─── 完璧に、落とされた。
「少しでも理解できたなら
もう自分に価値がねぇとか」
「陽向」
「愚痴るんじゃねぇ…」
「好き」
ごめん、抑えられない。
「もう一度、私の彼氏になって」