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ハツコイ♥アゲイン
第7章 惚れない理由が無い
「おはようございます!」
「おはよ。
えーと、いつもの…」
「アメリカンのトールですね♪
少々お待ちくださいませ!」
太陽がギラギラ照りつけるこの季節でも
証券会社で働く坂下さんは、毎朝必ずホットを頼む。
頭ボサボサで、目もショボショボなんだけど
テラス席で30分ゆっくりエネルギーをチャージすると、出て行く時にはシャキッとするらしい。
「胡桃ちゃん、今週ずっと元気だねぇ」
常連さんともなれば、自然とお互いに名前を呼び合う仲になる。
エスプレッソマシーンのボタンを押して、真ん中サイズのマグカップを取り出すと
背中越しに、まだ眠気を帯びた声で坂下さんが話しかけてきた。
「今までは僕と同じくらいテンション低かったのに」
「そうでしたか!?
ごめんなさい、接客業失格ですね」
「いやいや、その笑顔はいつもと同じだよ。
今週だけは特別に明るいなって思ってた」