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ハツコイ♥アゲイン
第8章 溺れるほど、夢中
* * *
「……買い過ぎ」
いつのまにか太陽が傾いていて、アスファルトに伸びる影が長くなる。
銀座のメイン通りから、気付いたら日本橋方面まで足を伸ばしていて
両手いっぱいの紙袋見た陽向が、溜息を漏らした。
「見事に乗せられたぜ。
どいつもこいつも、過剰なまでに煽て上手だな」
「でも、本当に全部似合っちゃってたし。
ショップの店員さんがみんな興奮してたの、分かるよ」
「ったく。彼女のお前が止めなくてどうするんだよ」
「………!」
“ 彼女 ”
斜め前を歩きながら、何気なく陽向が放った一言。
終始激しく動きっぱなしの私の心臓が、またキュンと音を立てる。
「で、どれが1番良かったわけ?」
「……えっ?」
「店員の感想なんて興味ねぇけど
胡桃の好みだけは知っときたいから」