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ハツコイ♥アゲイン
第9章 もうひとつの再会
「私のことより、貴方よ。
もう一度聞くけどどうして此処にいるの?」
「………」
「今1人? それとも誰か…」
「俺だったら」
明るく振舞う彼女の言葉を、陽向の低い声が遮った。
「俺だったら泣かせない」
「………!」
「何があっても、絶対に」
「………」
一段と強い風が吹き荒れる。
車のヘッドライトが、向かい合う2人の姿を映し出して
その空間だけ別世界のように感じさせる。
「……えぇ、知ってるわ」
暫しの沈黙の後、彼女が小さく微笑んで頷いた。
「私だけじゃなくて
陽向を知る人なら、みんな分かってるよ」
「………」
「立花くんよりも、実は陽向の方が優しいって…」
「じゃあ、なんで」
── 秘めた想いを抱えたような
切なさが揺れる瞳。
「なんで翔太を選んだんだよ」