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ハツコイ♥アゲイン
第10章 5年前の恋心
* * *
「じゃあね、胡桃ちゃん。
家にあるもの、なんでも使っていいからねっ♡」
私がリビングのソファに座ったと同時に
ハンドバッグを持った香さんが、ドアノブに手を掛けた。
「香、荷物少なくねぇか?」
「隼人さんのマンション、な~んでも揃ってますし。
咲原(さきはら)先輩の部屋に、香のパジャマ置いてあるんです♪」
「隼人が居ない度に泊まり行ってるもんな」
「はい、今日も楽しみ。
お留守番宜しくお願いしまーす」
玄関までの廊下、お兄ちゃんと会話する彼女に
「香さん、ごめんなさい」
私はもう一度立ち上がって、駆け寄って
目をギュッと瞑って頭を下げた。
「金曜日の…休日前の夜なのに
突然お邪魔して、本当にごめんなさい」