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ハツコイ♥アゲイン
第10章 5年前の恋心

グラスに視線を落としたお兄ちゃんが、もう一息息を吐いた。


「一目惚れ」

「………!」

「麻里奈は俺に、俺は麻里奈に。彩ちゃんは翔太。
翔太はどっちかっていうと、彩ちゃんに押されて徐々にって感じかもな」

「………」

「……だから、あいつの想いは交わらなかった」


再び心臓がチクリと痛む。

……凄いな、それこそ神会だ。

自分が一目惚れした相手が、自分の友達に一目惚れする。
そんなことって本当にあるんだ……


「……陽向は
その飲み会で出会った彩さんを……好きになったのね」

「陽向の口から直接聞いたわけじゃない。
でも明らかな態度で速攻気付いた」

「明らかな態度?」

「さっき、なんで陽向を差し置いて俺が人気だったかって聞いただろ。
それは陽向がダメ男を演じたから」


・・・え?


「彩ちゃんが翔太に惚れたのが、一目瞭然で
速攻やる気を無くしたんだよ」

「………」

「対応も適当で投げやりで、それはそれはヤサグレ感満載だった。
途中で勝手に帰ったし」


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