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ハツコイ♥アゲイン
第11章 笑顔でいてほしいから
* * *
お兄ちゃんとマンションの前で別れて
ここに来る為に半ばパニックになりながら飛び乗った電車を、再度逆戻りする時には大分冷静になっていた。
新宿区の最寄り駅から徒歩数分。
迎えに来てくれた陽向と一緒に、ハイクラスホテルのエレベーターを上って
案内された部屋の中に入ると……
「……凄い。 宝石みたい」
眠らない街。
窓の外で摩天楼の夜景が光輝いていて、感嘆の溜息が漏れてしまう。
……さっきからずっとドキドキが止まらなくて
体が宙に浮くような感覚が続いていた。
「………」
他の女性と遭遇する場面を目の当たりにして
用事を思い出したと嘘のメールをして、勝手に逃げてきて
なのにまたこうして戻ってきた私って最高にダサイ
……だけど
“ 何度も言うけど1ヶ月半後には戻るから。
マジでそれまでだぜ? ”
……そう、時間が無いのだ。
駆引きしたり、拗ねて相手の気を引いたり
そんなことしてる場合じゃない
離れる暇なんてない私は
彼との時間を1秒だって無駄にしたくないの……