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ハツコイ♥アゲイン
第12章 restart
「初めて飲み会で知り合った日から、言ってるでしょ。
私は陽向と立花くんのような超イケメンは無理なの。
恐れ多くて無理です」
無理と2回も繰り返して、彩ちゃんは溜息を漏らす。
「そりゃね。
その顔とその声で、甘い言葉を囁かれたら嬉しくて
女にとっての理想であり、幸せなんだろうなって思うわ」
「………」
「だから、先週私も寂しさから1人で落ち込んだりしたわけで。
……なのにどうしてかな。
やっぱりあの人じゃなきゃ、ダメっていうか」
彩ちゃんが独り言のように呟くその後ろから
近付いてきた足音がピタリと止まった。
「新婚なのに仕事でほとんど家にいなくて、居ても何もしなくて
優しくなくて、甘い台詞は一切言わなくて」
「……彩」
「それでも私は、翔ちゃんが好きなのよ」
「彩、やめろ」
短髪
色黒
細マッチョ
私服とは正反対のお堅いスーツ
ネクタイを暑そうに外しながら
「……お前
前置き、ほぼ悪口じゃねぇか」
苦々しい顔をして、翔太が小さく息を吐く。
学生時代、いつもつるんでいた同級生
5年の月日を経て、ようやく此処に揃うことができた。