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第12章 restart

“ 陽向に、笑顔でいてほしいの ”

“ ……結果、お兄ちゃん達と前と同じ関係に戻れないとしても ”

“ 本当の意味で自分を好きになれるように ”



── 胡桃

お前のお節介な願いが、陽向に届いたかどうかは分からないけど

俺にとって大事な友人の２人が、今俺の目の前で
あの頃と同じように向き合い、笑い合っているから


今まで以上の関係になって
リスタート地点に立てていることは、間違いないよ



「仲直り出来て良かったね」


俺の存在を忘れていた２人が、この嫌味でハッと我に返って
睨んでくるタイミングまでもが同じだった。


「は？ なにお前。腹立つな」
「今でも爽やか気取りしやがって。何様なんだよ」
「潰してやる。陽向、酒追加」
「嫁呼び戻せば？」
「いい。これ以上弱み晒されてたまるか」




８月の夜風が、オープンテラスを吹き抜けていって

ここ最近で１番であろう最高の気分に酔いしれながら

この夜、俺達３人の話が尽きることは無かった ───