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ハツコイ♥アゲイン
第12章 restart
静かに笑った陽向。
だけど再会した数週間前、同じこの場所で飲んだ時の
切なさが漂う瞳と違うのは明らかだ。
……俺が、何かを言う必要は最初から無かったんだ。
「……無駄じゃないし、ダサくもねぇよ」
ジョッキをテーブルに置いて、翔太が口を開く。
「てめぇはな、昔からかっこつけて
なんでも卒なくこなすから、外野は分かんねぇだろうけど。
……影でずっと努力してきたことを、俺は知ってる」
「……!」
「海外でやっていく厳しさも
それを乗り越えていく強さがお前自身にあることも、俺達は分かってる」
力強い声でそう言い放った翔太が
さらに言葉に熱を込めた。
「いいか陽向、1人だとか孤独とか
死んでも思うんじゃねぇぞ」
「……!」
「俺も大概多忙だけど、背中蹴っ飛ばす時間くらいはある。
呼べばバルセロナでもどこでも、速攻行ってやる」
「……っ」
「だから負けるな。
── 迷わず突き進め、お前の選んだ道を」