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ハツコイ♥アゲイン
第13章 “ ずっと傍にいる ”
……もう、充分
この瞬間だけでもう、充分優しいよ。
優しくて
優しくて
2人きりの、この時間が……こんなにも愛おしい。
「……ありがとう。
伝わったよ、陽向」
伸ばした右の手のひら。
陽向の鼓動がいっぱいに広がる。
「温かい、ね…っ」
嬉しくて、幸せで
どうしてかな、涙が溢れてしまいそうだ。
「……陽、向」
「ん?」
「……っ」
言葉に詰まる私を見て、陽向がふっと笑った。
「いいよ、無理すんな」
「……っ」
「まだ、お前の中に不安が残ってるなら
解けるまで、ずっとこうしてるから」
普段とは違う柔らかい口調に、胸のドキドキは増すばかりだ。
私を真っ直ぐに見下ろす、深い瞳がとても綺麗。
私の髪を撫でる彼の表情は、息を飲むほど美しい。
「胡桃」
「……!」
前髪を指で軽く避けられて、額にキスを落とされた。
額から瞼
瞼から頬
頬から唇へ……
「…ん……っ」
陽向の左腕が、首の後ろに滑り込む。
体重を軽く乗せられて
広げた私の両腕も、自然と彼の背中に引き寄せられる。