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第13章 “ ずっと傍にいる ”

── こんな感覚、知らなかった


性的に得る快楽だけじゃない
ただ求めて、与えるだけでもない

好きな人に
心から大好きな人に、体を抱きしめてもらえるのって

こんなにも嬉しくて、感動してしまうことだったんだ


仕事も何もかも中途半端で
自暴自棄になっていたのは、つい最近までだったのに……



“ 色々あってそこまでヤサグレてんだろうけど。
まだ若いんだから、人生捨てんなよ ”



── 1ヶ月前、再会してから
陽向が私にくれた言葉が……溢れてくる



“ なにも全部が全部、新しいものがいいって訳じゃない。
他人と合わせて同じレールの上を歩く必要はねぇよ ”

“ 粋がって派目外して、後悔して、落ち込んで
そうやって自分を見つけていけばいい。
全っ然遅くねぇから ”


「……っ」


“ 誰かに追い付こうとか、誰に合わせようとか
何が正しいとか考えなくていいんだ ”


“ まずは胡桃が

胡桃自身を好きになれるように……頑張れ ”







「……陽、向」



── お願い



「陽向、行かないで……」