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ハツコイ♥アゲイン
第13章 “ ずっと傍にいる ”
── 自分でも、無意識だった
目の奥がツンと熱くなると同時に
心で呟いたはずの言葉が……掠れ声で溢れてしまった。
「1人にしないで」
「……!」
「お願い、……行かないで」
こんなにも温かくて、優しいのに
穏やかで、気持ちは充分満たされているはずなのに
……涙が溢れそうになってしまう
この手も、身体も、心も
私のものではなくて
自らが提案して、納得した通り
離れてしまうことも知っていて
どんなに縋っても、願っても届かない
答えは、ちゃんと分かっているけど……
「……どこに?」
その言葉で、トクンと心臓が鳴った。
「……陽、…っ」
私の背中を包んで、反対の手で髪を撫でて
……唇に、軽く触れるだけのキスが落ちる。
「此処にいるだろ」
「……!」
「此処にいるよ、胡桃」
── 一瞬だけ
見えた気がする切ない表情は、直ぐに消えて
私を優しく抱きしめて……陽向が微笑んだ。
「 “ どこにも行かねぇよ ” 」
「……っ」
「 “ ずっと、胡桃の傍にいる ” 」