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ハツコイ♥アゲイン
第14章 伝えたい想い
……困らせたくない。
だからこそ、笑って冗談を言ってほしかった。
だけど……
「前にも言っただろ。
……嘘は好きじゃねぇんだよ」
私の頭から手を離して……陽向は静かにそう答えた。
……もう、お芝居は終わり。
ちゃんと現実と向き合おう。
陽向の心の声に、そう諭された気がする
……ちょうどその時
出発を告げる、搭乗手続きの最終アナウンス。
バルセロナという響きが、私の耳にも届いた。
「胡桃」
離した手を、再び私の前に差し出される。
「お前は、お前が思っている以上の力を持ってるよ」
「……!」
「これから沢山色んなことを吸収して
見たい景色を見て、触れたいものに触れて
やりたいこと、なんでも挑戦してみな」
「……っ」
「……大丈夫。
胡桃ならきっと見つかるし、成し遂げるから」