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ハツコイ♥アゲイン
第14章 伝えたい想い
頭がボーっとして、重くて
チラッと視線だけ右下に動かすと、ブラックのデッキシューズが見えた。
……男の人ってことだけは分かったし
陽向が居る時から見物してたんだろうなって、想像できたけど
普通、見ず知らずの他人にいきなり意見したりしますか?
貴方には何の関係もないでしょう。
……だけど
“ 大丈夫? ”
……ふいに聞かれたその言葉
その声のトーン
どうしてかな
何故かとても心地よく響いて、優しく感じてしまう
“ 追いかければ? ”
「……無理、です」
だめだ、また泣きそう。
ぎゅっと目を瞑っても、止まらない。
「もともと期限付きだったし。
こうなることを了承したのは、私なんだもの」
「………」
「お金無いし、パスポートも無いし
スペイン語も英語も話せない」
………口にするまでもなかった
私は、結局何も持ってない
誇れるものも
自信になる、得意とするものも
「……私って、何も無いんだ……」