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ハツコイ♥アゲイン
第14章 伝えたい想い
……免疫の無い体が、硬直する。
心の奥底から、経験したことのない
言葉で表せない何かが全身を駆け巡った。
……私のすぐ隣の席に、座る男性が放つ覇気が
物凄い勢いで放出されている。
「……出逢った頃に、一度だけ」
優しい口調
美しすぎる声
目深く帽子を被った彼は
前を見たまま、穏やかに私に語りかける。
「彼女の手を離してしまったことがあった。
自分のせいで、あの笑顔が見れなくなってしまったから」
「……!」
「それでも、諦めきれなかった。
俺が彼女にできることは、少しだけだとしても
傍に居たいと思ったんだ」
「……っ」
「……彼女を想う、大切にしたいと思う気持ちは
誰にも負けないから」
力強くそう言った彼の声
何度も何度も、繰り返し聞いたことがあるのに
“ スクリーン ” や “ スピーカー ” を通さない、生の声は
ダイレクトに心臓を貫いてくる
……ねぇ、待って
胸がいっぱいで
心がキラキラして、張り裂けそう
夢じゃない、よね……?