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ハツコイ♥アゲイン
第2章 兄妹格差
自分で言うのもなんだけど
昔はイケイケモテモテだったという両親のDNAを引き継いで
胡桃ちゃんって本当に可愛いよねって、親戚や友達に言われるくらい
顔も、体も、割といいものを持ってると思う。
……だけど
「……終わってるわ」
ドアの横の全身鏡に映った自分を見て、思わず溜息。
ボサボサの髪に、覇気の無いくすんだ顔。
昨日のヤケ食いによって膨れたお腹。
ヨレヨレのTシャツ。
いくら遺伝によって素材が良かったとしても
これだけ適当で女をサボっていれば、光るものも光らない。
「別にいいけどね、見てくれる人なんて誰もいないし」
独り言が止まらない私って、そろそろ限界的にヤバイのかもしれない。
でもいいや。
今は別にいい。
本気になればまた元通り、 “ 明るくて可愛い胡桃ちゃん ” に戻れるんだから。
「………」
……本気になればって、何回言っただろう。
ホントにあるのかな、この先。