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ハツコイ♥アゲイン
第4章 DO・ストライク
「……お前、左利きだったか?」
気のせいだと繰り返していた、私の脳内に
私の声ではない低い声が侵入してきて
その瞬間、パッと視界が開けて、ハッと我に返った。
……え?
なに?
左利きがなんだって?
「魚、掴めてないけど」
「……え?」
「え?じゃねぇよ。お前が持ってる箸」
正面に座る男が、持ったグラスを軽く私に近付けてきて
その合図で自分の手元に視線を落とすと
豪華な鮮魚が盛られたお造りの前で、自分の手が止まっていた。
・・・なんだコレ。
「……なんで私、左手で箸持ってるの?」
「……俺が聞いてんだけど」
「私右利きだよ」
「だろうな、どう見ても」
放心する私の目の前で、彼はビールグラスをテーブルに置くと
代わりに自分の箸を持ち上げた。
「おい、だからその手どかせって」
「……へ?」
「俺も食いたいんだけど。久々の刺身」
………!!