この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ハツコイ♥アゲイン
第4章 DO・ストライク
気だるい雰囲気をめいっぱい出して、低い声でそう言った後
グラスの残りと升に落ちた分まで、グビグビと喉に流し込んだ。
どーだ見たか。
目の前で一気飲みを披露してやったぜ。
「……大丈夫かお前、色んな意味で」
思いっきり渇いた目をした陽向が、シャツの袖を捲る。
くっそぅ。
なんだってこうもいちいち仕草がツボに入るかな。
「俺の何が残念で、どこが嘘つきなわけ?」
「私の知ってる月岡陽向は、お世辞なんて絶対言わなかった」
「お世辞?」
「可愛いくないもん、私」
「は?」
「正確には、 “ 今は ” 可愛くない」
何言ってんだ、私。
「何言ってんの、お前」
心の自問自答と陽向のツッコミが重なった。
「人の発言をいちいち拾うな。
素直にありがとうって言えばいーじゃん」
「だって明らかに社交辞令じゃん!
香さんも言ってくれたけど、冗談に決まって…」
「誰よ、香さんって」
「お兄ちゃんのお嫁さんだよ!」