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ドラスティックな恋をして
第2章 家族の巣立ち
夫・悟志は7歳年上の54歳。
勤めていた家電メーカーを悟志もこの春早期退職した。
業績不振で大量のリストラを行う会社に、リストラ候補じゃないのに早期退職を申し出た。
依子は、やれるとこまでやればいいじゃないかと止めたのだが、
「どうせそのうち僕だって切られるんだ、だったら今のうち、
退職金多く出してくれるうちに辞めたほうが得だよ」と、
もう決めたんだと依子には相談なく返事をしていたのだ。
「辞めてどうするのよ?あなたまだ50半ばよ、働き盛りじゃない」
この歳から夫婦で隠居暮らしなどと想像すると、
少しばかり心がゾワッとする。
毎日朝から晩まで、夫と顔を突き合わせていなければならないのか・・
「田舎暮らしをね、しようと思うんだ」
「ええっ?」