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ドラスティックな恋をして
第11章 潮時・・
「ごめんなさい・・私が泊まりたいって、一晩一緒にいたいって、お願いしたのに・・
 やっぱりいけなかったんだわ・・してはいけなかったんだわ・・」

小刻みに震え続ける依子に、昌宏は静かな声をかけた。

「いいんだよ・・仕方ない事だよ」

依子の体をゆっくりと放して一人ソファに座る昌宏は、
憂いた瞳で立ち尽くす女を見つめた。

そして身支度を整える依子の後ろ姿に、語りかけた。

「オレは・・自由に恋愛できるって、言ったよね?
 できなければこの手を振り払ってもいいんだよ、とも言った。でもあなたは
 この手を取った。楽しそうな顔してた。だけど・・
 楽しいよりも辛いほうが上回っているなら
 いつでもこの手を振り払ってかまわない・・」

スカートを穿き終えたところで、依子は動きを止めた。
それって、別れのセリフなの?と心に杭を打たれたような気がした。

「単純にあなたを好きだから、こうして愛し合っているけど・・
 もしもそれがあなたの負担になっているなら・・やめたほうがいいかもしれない。
 勘違いしないで。あなたとの関係が嫌になったんじゃない。
 ただ、オレは自由だけどあなたは不自由。
 その差を埋めることは無理だってことだけは、ちゃんと自覚しておいた方がいい・・
 それは依子さん自身のためにね」

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