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ドラスティックな恋をして
第4章 会いに・・行こう
席に着くとすぐ、あの3段重ねのアフタヌーンティーセット2つと注文した。
「念願叶ってよかったですね。結構食べごたえありますよ、この3段は」
「あれ?食べたことあるの?なんだ、言ってくれれば別のところにしたのに」
男はおしぼりで手を拭く動きを止めた。
「いえ、そんなこと気にしなくていいですよ。美味しかったもの。
でも晩御飯は食べられなかったわね・・あ、あなたお家に帰ったら夕飯食べられます?
奥様食事の支度なさってるんでしょ?」
言った後、依子はハッと口を押え、笑った。
まだ名前も聞いていないのに、妻が支度をしているであろう夕飯の心配までして、
自分のお人よしさに思わず自分を笑った。
その依子の姿を見て、今度は男が笑った。
「ご心配どうも。でも大丈夫、夕飯の支度して待っている女房はいないから」
答える男の目じりは優しく下がっていたが、悪い事を聞いてしまったようだと
依子は表情を変え、目を伏せて頭を下げた。