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ドラスティックな恋をして
第4章 会いに・・行こう
屁理屈とも取れると思ったが、この男の説得力に返す言葉がなかなか見つからなかった。

言いたいけど言えない・・そのジレンマからか
ティーカップを揺する依子を見て、昌宏は笑い声を詰まらせた。

「初めてお茶をご一緒する席でする話題じゃなかったね。こういう・・そう、
 意見交換って言えばいいかな?には早すぎるよね。
 だいたい、ギターが縁でこうしてお近づきになったのに、ギターの話なんか
 これっぽっちもしてないんだから」

昌宏の笑い声に依子もつられた。
まだ会って2度目の男にこんな込み入った話を突っ込んで聞いているなんて。
依子の笑い声が大きくなっていく。
それは自分自身に対する可笑しさからだと気づくとさらに笑いに輪をかけた。

「ほんとですね、ごめんなさい、変な事言って」

「いいんですよ、別に気にしないで。
 それよりこんなにも早く打ち解けられるなんて、依子さんとは気が合うのかなぁ、ね?」

巧みな話術、というのか巧妙なナンパの手口というのか、
昌宏はなんの障害もなく依子の女心に入り込んできた。

夫という男とだけ向き合ってきた中年女には、一人の女性として扱われている感が
うまい具合に心に刺さる。
無邪気にケーキを頬張る昌宏の目元は、依子の体の芯に何度も刺激を与えてきた。
その刺激を紛わすように、依子もサンドウィッチに手を伸ばした。



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