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ドラスティックな恋をして
第8章 恋の泥沼
ごみごみとした古びたビルの連なりの中にいきなりあらわれるラブホテル。
まばらな通行人を気にすることなく、昌宏は依子の手を引いてホテルの門をくぐった。
小さなフロントでキーを受け取り、小さなエレベーターで3階まで上がる。
廊下の薄暗さに背徳の色が濃く見える。
その廊下を一番奥まで進んだところに308号室があった。
ドアをあけ、さらに内ドアを開けると部屋いっぱいに、
と言ってもおおげさではないくらいの大きなベッドが居座っている。
電気の暗さは廊下と同じくらいか。
だがこちらには色がついている。
ピンクのような紫のような、淡く色づくライトが胸の鼓動を高めた。
依子の足は震え続けている。
ベッドの側らで立ち尽くす女の背中を、男の胸が張りつくように受け止めた。
耳元には男の荒っぽい息がリズミカルにぶつかる。
沈黙のまま、昌宏は服の上から依子の乳房を両手で包んだ。