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ドラスティックな恋をして
第8章 恋の泥沼
翌週の日曜も昌宏と会った。
六本木にある美術館に行き、その後緑に囲まれたオープンカフェで
のんびりと午後のひと時を楽しんだ。
向かい合って座る昌宏の髪が風に揺れるたび、依子の体の芯はうずいた。
ほんとうに・・色気のあるオトコだ、と時折口角をあげる。
そんな表情を見逃さなかった昌宏は、
「正直だよ、依子さんは。男にそんな顔見せるなんて」
心から欲しいと思っている目だ、と片肘をついてフフッと鼻を鳴らした。
依子は反撃しなかった。
彼の言うように心の底から愛してほしいと、今日も愛されるだろうと期待しているからだ。
行こうか、と促がされて依子は小さく頷く。
日差しの明るさに手をかざしながら、森の中を抜けていく。
時折触れるくらいだった互いの腕が、
ホテルにたどり着く頃にはしっかりと絡み合っていてた。