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パズル Ⅱ
第15章 転機
「いつからですか?」

「この話が来たのが4月の半ばでさ。とりあえず決算終わるまで待ってくれって引き伸ばしてたんだ。だから東京は今年の決算もてんてこ舞いで皆残業上限一杯らしい。すぐにでも来て欲しいところだろうけど、無理言ってんのも解るからゴリ押しはして来ない。けど、本心はやきもきしてるだろうな。あんまり引き伸ばして課員に負担が掛かって倒れられたりするのももっと困るし…」

「そんな忙しいんですか…」

「元々ギリギリの人数でやってたからなぁ。増員募集してもすぐ辞めたりで、なかなか、難しいらしい。」

「断れる話なら断りますけど…どうしてもということであれば、考えます。一応、皆に当たるだけは当たってみて下さい。誰も行き手が無ければ行くようにします…」

本意ではない、ということはアピールしてみたけど、一方で、美桜と物理的な距離を置くチャンスだとも思っていた。近くにいればいるだけ、想いが募る。

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