パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 美桜

食事を終え、部屋に戻ると、机の上にペーパーナプキンに包まれた丸い包みが置いてあった。

ナプキンに油染みが出来てる。

それを開けると、ハート形のクッキーがいっぱい。

試しに食べてみる。

俺の好きな、サクサク、ホロホロのじゃあ、ない。

硬くて、薄っぺらい。

噛むと、カリッ、ポリッと音がする。
味も甘いんだけど、ほのかな苦味が口に残る。

…焼きすぎだろ。

だけど、あの美桜が、初めて作ったんだよなぁ…

あのちっちゃかった、美桜がさ。

すぐ泣いて。泣くと鼻水も出て。
くちゃくちゃの顔でワンワン泣いてたガキなのに。

調理実習とはいえ、クッキーなんて作れるようになっちゃうんだもんなぁ…

そやって、成長していくんだなぁ…と、思ったら、凄く寂しかった。