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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第7章 休日の小悪魔
もちろんすぐに離れようとしたけれど
そこそこの剣幕で葉川くんを睨みつけたけれど
“ …あっ、…違う ”
私は直後に戸惑った。
──彼を見上げた時の、その世界がいつもと若干…違ったから。
“ 葉川くんのほうが、背……高いのね ”
当たり前だ。
彼は男で自分は、女。
確かに私は女にしては背が高いほうだけれど、葉川くんとはいくらか差がある。
そんなことは知っていた。なのに──。
「こうしていると…、先輩の顎をすくいあげて、キスをしたくなりますね」
「──…」
ローヒールによって本来の身長──ありのままの自分に近付いた私は
至近距離で彼を見上げたせいで首が直角に曲がる。
「構いませんか?」
「…っ…駄目に決まっているでしょう」
不覚だった。
こんな些細なことで、彼に " 男 " を感じてしまうだなんて。