この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第2章 藤堂建築アトリエ事務所
歳は四十を越えたというのに、未だ疲れ知らず。
やけに広い肩幅にはスーツがよく似合っている。
見た目はどこかの高校の体育教師にしか見えないが、著名な業界紙にいくつも作品を取り上げられ、世界規模で活躍する実力ある建築家だ。
そして私は【 藤堂建築アトリエ事務所 】の意匠設計士。
藤堂さんと私は遠い親戚同士でもあり、大学を卒業後にここで働き始めた。
「ところで藤堂さん、汗がすごいですよ」
「ああばれたか。来週末のマラソンに向けて、ひと駅分を走って戻ったからな」
「…それは結構なことですが、スーツは脱いで走ってください。そして早く着替えてください」
ちなみに藤堂さんの趣味はランニング。
…どうでもいいけれど、ランニング好きな人間はドMだというのが、私の持論。
「悪い悪い…っ」
私に冷たくあしらわれ、彼は別室に消えていった。