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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第10章 それだけの関係
彼に何を期待していたんだろう。
“ 私は期待なんてしていない。…いいえ、" しないように " してきた…つもり ”
だったら…!わざわざ動揺することないじゃない。
私と彼は付き合ってすらいないんだから。
そうよ。
そもそも動揺していいような御身分じゃないのよ、私は。
会計前の缶コーヒーを手に、私の思考はいつもの軌道に少しずつ戻っていく。
打ち合わせ前の淫らな駆け引き──
あの数分の間に私の中を掻き回していった得体の知れない感情を、外へと押し流すようにして。
それから結局 買ったのは初めに手に取ったコーヒーだけで、冷たい缶をそのまま店員から受け取り、おつりの小銭は募金箱に落とした。
コンビニを出ながら整えた表情。
早く頭を仕事モードに切り替えようと…顎を引き、胸を張った。
「──…季里?」