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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第14章 消去と諦め
わざわざ葉川くんにしてもらわなくても、私は自分でできる。
消去のボタンを押すくらい
今すぐにでも、簡単に──。
「──…お願い…できる?」
「いいですよ」
たったの五文字。
葉川くんの返事に続いて、その指が画面へと伸びる。
彼の手は当たり前だが私よりも大きくて、スマホを持つ私と手を重ねたまま無理なくボタンをタップした。
《 連絡先を消去しました 》
目の前で始まり──終わったその作業はあっという間で
私に見せつけるようなこともせず、躊躇いなく行われた。
「任務完了です」
どこかおどけた言い方で彼に告げられ、固まっていた視線をふっと動かす。
同時に頬にキスをされ──そして葉川くんは私から離れた。