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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第15章 ドレスコード

繰り返すけど、私は乗り気じゃない。

それは変わらないのだ。

SA(サービスエリア)コンペの締め切りも気づけばあと1週間と少し。

悠長に高級レストランのディナーを堪能している暇なんてないのに。


“ こーいうのでスケジュールを狂わされるのは本当に困るわ ”


私が席にも座らずに悩んでいると、藤堂さんとの話を終えた葉川くんが横から声をかけてきた。


「どうなさるつもりですか」

「そうね…。明後日に時間が取れないから、今日と明日でなるべく設計を進めましょう。できれば4日前までに設計を終わらせて、プレゼンの作業に移りたいから…」


コンペは設計するだけでは勝てない。

どんなに良いものを設計したとしても、それを表現する絵や模型の出来が悪ければ、審査員に伝わらないのだ。

そう考えると設計に残された時間はせいぜい5日。

コンペ以外の仕事もあるから、余裕はない。


「今日から案を煮詰めるわ」

「そのことじゃなくて」

「…? 何のこと?」


…と、葉川くんが声のボリュームを抑えた。


すっかり仕事脳の私に向かって、背中を丸めて顔を寄せてくる。


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