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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第1章 フラれる女
ところで私はと言うと、右手に仕事用タブレットPCを持ち、左手でスマホを耳に当てている。
「……あ、いえ、何でも。それでは明日の打ち合わせの時に……はい、お願い致します」
私の会話相手は部屋にいる彼ではないし
目線の先はタブレットだ。
「では失礼します」
「ハァ……うんざりだよ」
通話が終わってスマホを下ろした時には、彼は溜め息とともに腰を上げていた。
ベッドに投げていた春物のジャケットを片手に、私に背を向ける。
そして玄関のドアが開き──少々乱暴に閉められた。
…私は、返事すらしてあげられなかったのだ。