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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第17章 家族ほど面倒なものはありません
みんなが帰ってやっとひとりになった私は、ビール缶を片付けようと──
ところが、そこで何故かチャイムが鳴り
ドアを開けると葉川くんが立っていたのだ。
「はい、戻ってきてしまいました」
「……いいわよ、入っても」
「お邪魔します」
こうして私は、彼と二人きりで自分の部屋にいる。
追い返さなかったのは…どうしてだろう。
戻ってきた葉川くんを受け入れた自分は、いつもよりも自然体だった。
「先生は無事にタクシーで帰りましたよ。佐々並さんとバイトの彼は駅に向かいました」
「そう」
缶を集めてキッチンで潰していると、葉川くんがお菓子の袋を片付け始めた。
「タクシー代はどうしたの?」
「ギリギリ先生の意識はあったので。先生がご自分で払えると言っていました」
「そう、ならいいわ。…タクシーの中で粗相がなければいいんだけど」
「そこまで酔っていませんでしたよ」
彼はゴミを片付けると、ふきんを受け取ってテーブルを拭く。
手際のいい彼のおかげで部屋はすぐに綺麗になった。