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後輩くんの挑戦状 ~僕に惚れてもらいます~
第19章 優先席は彼の席

レジにいた店員に軽く謝ってから、穂花は颯爽とカフェを去って行った。

事務所では感じたことのない頼もしさを…その時の背中から感じたものだ。穂花を指して恋愛上級者と呼ぶのか、はたまたあれがスタンダードで私が低レベルすぎるのか、どちらか決めかねるが。

もう少し早く彼女に相談しておけば、いろいろ上手くいった話があるのかもしれないわね…。


「ふぅ……。不安にさせる、か」


そういえば啓輔( ケイスケ )も同じ事を言っていた。不安だったって。

ま、あの自信に満ち満ちた葉川くんがそんな状態になるなんて思わないけど。


カチ


“ 今は私のほうが不安だわ…どちらかと言うと ”


不思議と零れる笑みを抑えながらスマホの電源を入れ直して、私はLINEの画面を開いた。


[ 事情があって穂花が帰ったから、君が来れるなら来る? 事務所横の交差点にある和カフェの店 ]


文字を打って

送信────…って、ええ…っと、これじゃない…のかしら。

少しだけ訂正。



[ 穂花に気を遣わせて帰らせてしまったわ。だから来ない? 事務所横の交差点にある和カフェの店 ]



…これでいいか。

よし、今度こそ送信。



すると五秒ほどで既読マークがつく。



カラン、カラン



「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」


「いえ、連れの女性が先に入っています」




....



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